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たくさんの感謝、そしてエピソードゼロ。
劇団月光斜2019年度卒業公演『竜宮パラリラ』にて脚本と演出を務めましたA2です。ご来場頂いた皆様、本当に、本当にありがとうございました。皆様のアンケートも全て拝読しました。沢山のお褒めの言葉を頂き、団員一同、めちゃくちゃ喜んでおります。
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ところで、今公演の来場特典である「竜宮国黎明記」は読んで頂けましたでしょうか?せっかくの公演後記。アンケートにもサイドストーリーを知りたいという声がございましたので、ネタバレあり、脚本や公演の裏側ありで、『竜宮パラリラ』について少し語りたいと思います。
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まず、この作品のテーマ。
僕は「運命と私」というテーマで今作を手掛けました。皆さんは「運命感」を感じることはあるでしょうか?僕の、これまで22年の人生は常にこの感覚とセットでした。受験で第一志望の大学に受からなかった時も、オーディションで希望の役にならなかった時も、まず運命感を感じます。ずーん、と。頭や胸に重い石を打ち込まれる感覚です。悔しさや憤りよりも、まず運命感です。ずーん……僕は「またこれか。」と思います。人生においてこの感覚を何度も何度も味わってきました。そして、その度に人間にはどうにもできないような、人知を超えた何か大きな畝りのようなものが存在しているように思いました。そして、僕はこの脚本を書くにあたり、その大きな畝りを「運命」と名付けてみることにしました。「運命」と、その中で必死にもがくしかない「私」たちの姿。生まれた国も育ってきた背景も違うけれど、竜宮国に生きる彼らは、僕の人生をどこか投影したような人間たちでした。そして、今公演で役者を務めた15人にはその業を負わせました。彼らもまぁ、うんうんと悩みながら、必死に生き抜いてくれました。彼らにも感謝ですね。こんな残酷な世界を頑張って生きてくれて、ありがとう。
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「運命」の象徴として描いた「玉手箱」。最後、それは空っぽだと分かります……分かる、というか。僕らはきっと最初から気づいてたんだと思います、中身が空っぽだと。でもこれだけ自分の人生を狂わせたんだから、中身がないと示しがつかねぇだろうと、そう願っていたんだと思います。勝手な生き物だ、人間なんて。僕自身もそう、寅太郎だって、慶喜だってそうです。みーんな人間だよ、馬鹿野郎。
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あ。少し重めの話をつらつら述べてしまいました。ではここからはちょっとした裏話に移ります。
皆さん、雲雀は好きですか?……ありがとうございます、好きですよね。僕も大好きです。これは雲雀を演じた銀河宇宙の功績です。なんだこの芸名。まぁでも、本当に自慢の後輩です。これは裏話になりますが、僕は最初、雲雀を作中に登場させる気はありませんでした。慶喜や平岡、乙姫の口から語られ、お客様の想像の中でできあがる雲雀が最も美しいと考えたからです。しかし脚本構成上やたらと説明台詞が多くなることやその他諸々の理由から、雲雀を舞台に立たせることに決めました。これは賭けでした。千年の歴史はあるものの、本作『竜宮パラリラ』は雲雀から始まる物語。雲雀が崩れるとドミノ式に物語が破綻するからです。僕はヒヤヒヤしながら稽古に臨みましたが、銀河宇宙はそんは悩みを吹っ飛ばしてくれました。あ、そうだ。サイドストーリーを少し。雲雀と乙姫は「世界の表側」について研究する学問の権威です。だから、竜宮国以外の国とその歴史について断片的にも知り得る立場でした。そして、竜宮国を飛び回り、各地を見聞しました。知らなければ良かったことも知ってしまう立場、もしくは知らなきゃいけない立場。こんなにも残酷な人生はありません。しかし、雲雀の凄さは、暗鬱な運命の中にあっても、底抜けの笑顔を弾けさせられるところです。それは一切の情を知らない慶喜にさえも突き刺さる笑顔です。そして今公演。銀河宇宙はそれをやってのけました。ここだけの話、実は彼女、悩んでいました。雲雀じゃなくて、自分自身が演技に出てしまう、という悩みです。僕は、気にすんな、と言いました。僕自身も戦ってきた悩みですが、でも魅力的な部分を隠す必要なんて全くない、それが雲雀に通ずるところがあるならば尚更だ。そして彼女は雲雀になったのです。最高でしたね。千秋楽、最後のステージで、雲雀は乙姫を抱きながら「生まれてきてくれてありがとう」と言っていました。あれはそのステージ限りのアドリブでしたね。僕は客席後方で泣いていました。雲雀〜、ううう……。そういえば、乙姫を「オト」呼びするのは雲雀と寅太郎のみです。他は「乙姫」か「オトちゃん」です。密かな推しポですね(笑)
随分と語ってしまいました。今回は雲雀について語りましたが、同じように全キャラクターを愛しています。どいつもこいつも頑張って生きたなぁ……。
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最後に、僕の好きな台詞を紹介します。それは、蛸兵衛と鮫吉が戦う前、先に進もうとする寅太郎を引き止め蛸兵衛が「トラちゃん、反乱起こしてごめんな。」と言った後の、寅太郎の台詞です。
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「生きてから言え。」
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これ。めっちゃ脳内で反響するんですよね。今でも覚えているのですが、脚本を書いている時に僕の頭の中の寅太郎が喋ったんですよね。僕はこんなこと言わせるつもりなかったのに。でも、言いやがったから書きました。感謝も、謝罪も、恨みつらみも、生きていれば言えますね。言わなくてもいいんだけれど、それも、生きていればこそですね。僕はこの言葉が聞きたくて『竜宮パラリラ』を書いたのかもしれない、とか思ったり。ありがとうな、寅太郎。
……公演後記、書き過ぎました。
最後の最後に、本当に感謝を述べます。これにて僕を含む4回生は卒団です。関わってくれた皆様に、本当に感謝しています。先輩にも、後輩にも、同期にも、そしてご来場くださるお客様方にも、感謝しかありません。幸せな演劇人生でした。A2でいれて最高にハッピーでした。みんなありがとうーー!!うおー!!!!ばいばい!!!ぎゃあー!!
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写真は、パラリラ・オン・フライデーナイトの練習でOPダンスの最後に釣りして終える和泉充です。振付チーフにNG出されました。そりゃそうだ。
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